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地の果てロカ岬(1996年4月 68歳)

 スボンから大西洋の海岸に出ると、その先の方に荒波に削られたロカ岬がバスの車窓からはっきりと捕らえることができました。
 ロカ岬がユーラシア大陸の最西端の地、と聞いただけでも極東にある日本から、遠くへ来たものだなぁとしみじみ旅情を感じます。
 140メートルの断崖の上には、石を積み上げた高い塔があって、塔の下にはポルトガル人の詩人ルイス・デ・カモインスの語った有名な詩、『ここに、陸尽き、海始まる』が白い石に刻みこポルトガル語なので説明を聞いただけで読み取ることはできませんでした。
 断崖の上に立つと、陸尽きる所という実感がします。コロンブスもこの岬水平線の彼方にあるであろうジパング(日本)に熱い思いを寄せたのでしょうか。
 水平線の彼方をじっと眺めていると、本当にアメリカ大陸が蜃気楼のようにぼんやりと見えるような錯覚さえしました。これだけの名所でありながら、ほとんど観光客の姿は見えません。
 実のところ、初めてロカ岬のことを知ったのです。ガイドブックには記されているけれど、地図や百科事典にはその記載さえもないのです。
 駐車場のそばには観光案内所があって、ガイドさんが『希望者はここでヨーロッパの最西端に到着したというネーム入りの証明書がもらえますよ』と言うことだったので、早速申し込みました。500円と1000円のがあったけど、安い方にしました。
 ここの観光案内は、これだけが仕事のようでした。観光している間に文字のローマ字で名前をサインした証明書を作成してくれました。
 広々とした岬の台地には赤い灯台と、レストランを兼ねた一軒の土産物屋があるだけです。
 4月なのに真夏のような太陽と、晴れわたった、大西洋から吹きつける爽やかなとかすかに聞こえる海鳴りの響き、草原には珍しいが一面に咲き乱れていました。

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